« March 2009 | Main | July 2009 »

エッゲのピアノ協奏曲

Naxos8557834ノルウェー・ピアノ音楽集
ホーヴァル・ギムセ(p) オイヴィン・ギムセ指揮 トロンハイム・ソロイスツ
Naxos 8.557834

少し前にNaxosからリリースされたアルバム。ノルウェーのピアノ音楽と題されているが,エッゲの作品が中心となっている。オケを指揮しているのは,ギムセの弟。

はじめは,グリーグ25のノルウェーの民謡と踊りから第12番「ソルファーイェルと蛇と王様」が収録され,この主題を用いたエッゲピアノ協奏曲第2番(ノルウェー民謡による交響的変奏曲とフーガ)が続く。20分ほどの作品で,かなりダイナミックな曲。重心の低いオーケストレーションの中,時折聴かれる弦楽器のソロが美しい。特徴的なリズムが楽しいハリング幻想曲(3つの小品より)のあと,やはり20分を超える意欲作ピアノ・ソナタ第1番「夢の歌」。ここで聴かれるエッゲの3作品は,いずれもピアノの低音のごつごつした響きと力強いリズムが特徴。聴く方も体力を要する。エッゲの作品のあとは,ノルウェーの3人の作曲家の小品。ベルグノルウェーの踊り第2番「ホリン老人」フールム水彩画より「ミニアチュール」トヴェイト結婚式の鐘。それぞれ短い中にも個性が発揮されていて楽しい。

| | Comments (50) | TrackBack (0)

エウローパ・ガランテのボッケリーニ

Virgin_50999_212149_2_9ボッケリーニ 三重奏曲第20番ニ長調 G98, Op.14-4  四重奏曲第56番ハ短調 G214, Op.41-1 五重奏曲第91番ハ短調 G355, Op.45-1 六重奏曲第4番ヘ長調 G457,Op.23-4
エウローパ・ガランテ
Virgin Classics 2121492

最近わりとはまっているボッケリーニ。面白そうなアルバムがあったので購入。

エウローパ・ガランテは,ファビオ・ビオンディが中心となって結成されたアンサンブル。このアルバムを聴く限り,とても切れ味が鋭く,スタイリッシュで引き締まった演奏をする。ここでは,ボッケリーニの様々な編成の作品を短調作品を中心に集めており,演奏の方向性とあいまって背筋がピンと伸びるような真面目な1枚に仕上がっている。先日聴いたボッケリーニ四重奏団の演奏とは対照的。収録された曲の中では,小規模ながら魅力的な旋律にあふれている三重奏曲が気に入った。軽やかな演奏との相性もよい。

ちなみに先日紹介したアレア・アンサンブルのメンバーのロニョーニ(vn)とマルコッキ(va)がメンバーとして参加していてびっくり。

| | Comments (34) | TrackBack (0)

アレア・アンサンブルのモーツァルト

Mvcremona_mvc002008モーツァルト ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのためのディヴェルティメント 変ホ長調 K.563
アレア・アンサンブル(アンドレア・ロニョーニ(Vn),ステファノ・マルコッキ(Va),マルコ・フレッツァート(Vc))
MV Cremona MVC002-008

アリアCDさんでお勧めされていたイタリア・クレモナの小レーベルMV Cremona。クレモナの楽器工房が仲間の音楽家を集めてCDを製作しているらしい。その中にモーツァルトのK.563があったので,注文。

古楽器による演奏で,楽器の音色がつややかで伸びやかで気持ちいい。残響をうまく取り入れた録音も秀逸で,いかにも弦楽器の音色を愛する人たちが作ったアルバムといった感じが楽しい。演奏も技術的にキレキレというわけではないが安定して豊かな歌を聴かせてくれる。この精緻な作品を真面目に聴かせようとするあまり,ディベルティメントという作品に与えられた名称を忘れてしまうような演奏も多いような気がするが,ここでは気の知れた仲間が集まって晩年のモーツァルトの世界を素直に楽しんでいるような風情がとてもよい。

| | Comments (76) | TrackBack (0)

ハイドンの協奏曲(シュタイアー)

Hmx2961854ハイドン クラヴィーア協奏曲ト長調 Hob.XVIII-4 クラヴィーアとヴァイオリンのための協奏曲ヘ長調 Hob.XVIII-6 クラヴィーア協奏曲ニ長調 Hob.XVIII-11
アンドレアス・シュタイアー(フォルテピアノ) ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(指揮) フライブルク・バロック・オーケストラ
Harmonia Mundi HMX2961854

今年は,ハイドンの没後200年にあたるらしい。鰤やら何やらの出現で,膨大な作品群がきわめて容易に安価で耳に出来るようになったのはここ最近の大きな変化。ハイドン観も大きく変わってくるような気がする。

ハルモニア・ムンディがカタログの中からいくつかのハイドン・アルバムをバジェット・プライスで出してきてくれて,これはその中の1枚。シュタイアーのフォルテピアノ(1785年製作のピアノのレプリカ)が売りだが,これはとてもいい。音色と響きがとてもきれい。軽やかなんだけども,音色が単純でないというか,奥深くて繊細。緩徐楽章での表情豊かな歌はいつまでも聴いていたいと思わせるような魅力に満ちている。急速楽章でのユーモアたっぷりの力強いアクセントも楽しい。素直にハイドンっていいなあ,という幸せな1枚。


| | Comments (0) | TrackBack (0)

ブリュッヘンの第九

Phcp10509ベートーヴェン 交響曲第9番 コリオラン序曲
ブリュッヘン指揮 18世紀オーケストラ
Philips PHCP-10509

少し前に中古屋さんで手に入れたCDだが,感銘を受けたもの。

この第九という曲,昔から完璧なソナタ形式の第1楽章は文句無しに素晴らしいのだが,あとは曲が進むにつれて質が下がり,第2楽章は長いし,第3楽章は中途半端(後期ピアノ・ソナタや弦楽四重奏曲の出来そこない)だし,第4楽章の非音楽的な絶叫に至っては意味不明。ということであまり好きでなかったのだが,ブリュッヘンの全集の1枚が安く転がっていたので,購入したもの。

これが,私の滅茶苦茶な第九感を覆すに十分な演奏でびっくり。第1楽章の立体的で透明な響きは,これまで聴いた演奏の中でもトップクラス。第2楽章もきびきびしたテンポで聴かせるし,第3楽章の美しさもなかなか。一番びっくりしたのは第4楽章の合唱。ちゃんときれいに音楽的にやろうと思えばできる曲なんだ,と大発見(もしかしたら最近はこうした演奏も多いのかもしれない)。みんなで絶叫する従来の演奏は一体なんなのか。もっとも歌詞の内容からすると,作曲者自身は絶叫を望んでいたのかもしれないが。年末のお祭りにはふさわしくない上品な第九です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« March 2009 | Main | July 2009 »