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ボリチャイの交響曲第1番

Naxos8570195ボリス・チャイコフスキー 交響曲第1番 組曲「ざわめく森」 組曲「舞踏会のあとで」セーロフ指揮 ヴォルゴグラード・フィル エルショフ指揮 サラトフ音楽院響
NAXOS8.570195

NAXOSのボリチャイ・アルバムの2枚目は,この作曲家の最初期の作品を集めたもの。

メインは初録音となる交響曲第1番(1947)。ボリチャイがモスクワ音楽院を卒業したのが1949年とされているから,学生時代の作品ということだろう。定石通りの4楽章形式。第1楽章は,がっちりとしたソナタ形式。幅の広い歌謡的な第1主題と対照的に無機的な第2主題を優等生的に展開させる。第2楽章のスケルツォは,攻撃的な音楽。ラルゴの第3楽章は,管楽器のソロ,ソリが印象的。第4楽章は,アレグレット。どこか斜に構えたようなつかみ所の無いような音楽で,これは後年の作品と通じるところがある。この作品全体に感じられる知的な印象と控えめな叙情性は,まさにこの作曲家の個性であって,習作のレベルをはるかに超える充実作品。ショスタコーヴィチが激賞し,ムラヴィンスキーによる初演の段取りまでできていた,というエピソードにも納得。

「ざわめく森」(1953),「舞踏会のあとで」(1952)とも,ラジオ・ドラマのための音楽として書かれた作品。「ざわめく森」は,なんともメランコリックな美しいテーマが心に残る。「舞踏会のあとで」は,可憐なワルツを中心とした舞曲集と思いきや,後半に怪しげなマーチが用意されている。この時代のソ連の作曲家は,みなこの手の仕事をしていて,中にはやっつけ仕事もあるのだろうが,ボリチャイに関してはいずれも本気度が高い。本人もこのような仕事がかなり好きだったのかもしれない。

演奏は,いずれも丁寧で,優れたもの。特に,ヴォルゴグラード・フィルは,今回はじめて聴くが,バランスの良い安定感のある響きで,セーロフに鍛えられていることがよく分かる。

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