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トレチャコフ・エディション1

Brilliant_classics_brl93005CD1
アレクサンドル・チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番

カッツ指揮 ソヴィエト国立響 フェドセーエフ指揮モスクワ放送響
CD2
ブラームス ホルン・トリオ シューベルト 二重奏曲 グルック メロディー プロコフィエフ 5つのメロディー

アファナシエフ(hr) エローヒン(p)
CD3
ペイコ 前奏曲とトッカータ ショスタコーヴィチ 2つの前奏曲 ワーグナー Feuille d’album  サラサーテ サパテアード ラヴェル ハバネラ形式の小品 シチェドリン フモレスケ プリンシペ El Campinello ブラームス ハンガリー舞曲(4曲) ファリャ スペイン民謡組曲 ショパン ノクターン イザイ 悲劇的な詩

ペイコ(p) エローヒン(p)

ブリリアントから旧ソ連のヴァイオリニスト、ヴィクトル・トレチャコフのライヴ録音が10枚にまとまって発売。1946年生まれで、1966年のチャイコフスキー・コンクールの覇者。現在は教職を中心に活躍しているようだが、このCDには、1990年の録音まで収録されており、かなり最近まで精力的にコンサート活動もしていたようだ。世代的には、クレーメルあたりと同世代ということになる。

これまでも一応名前は知られていたとは言え、本国の活動が中心だったためか、あまり録音が大々的に取り上げられたことはないように思うが、聴いてみたところ、かなりの実力者であることは明らかだ。いかにも「ロシアのヴァイオリン」というイメージ。オイストラフを髣髴とさせるような、厚い豊かな音色と豊かな歌い回しが持ち味。自分のスタイルを前面に押し出すというより、作品にふさわしい音楽を作っていくタイプであり、好感が持てる。

1枚目は、某掲示板でも指摘されていたが、ボリチャイではなくアレチャイの作品のようである。これが目当ての一つだっただけに残念。アレチャイの曲も悪い曲ではない。暗いメロディが延々と続いていくような曲。ショスタコの1番は、名演だ。きわめて集中力の高い演奏。静かな場面での音色の使い分け、火を噴くようなアクセント、カデンツァの見事な構成力など、見事だ。最近この曲も若手による録音が増えてきたが、やはりロシアの音色の演奏の説得力は圧倒的だ。フェドセーエフの伴奏もいい。3楽章の木管楽器の暖かい音色など、感動的。

2枚目は、室内楽奏者としてのトレチャコフが聴ける。ブラームスは、アファナシエフのホルンが聴けるのも嬉しいが、たっぷりとしたテンポで難しい三者のバランスをうまくとっている。プロコフィエフの独特の叙情の表現も魅力的。

3枚目は、小品集。1967年の録音が主で、チャイコフスキー・コンクールに優勝したばかりの若い頃のトレチャコフの芸が聴ける。旧ソ連の作曲家の珍しい作品が聴けるのも嬉しい。こういう作品を演奏しても、過度の表情は避けていて、下品になることはない。若い頃から大人の表現を身に着けていたことをうかがわせる。

残りのCDも楽しみ。

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