« プラジャークQのモーツァルト | Main | ムラヴィンスキーのリハーサル »

シェバリーンの弦楽四重奏曲

ストラヴィンスキー 弦楽四重奏のための3つの小品 シェバリーン 弦楽四重奏曲第5番 第9番 シュニトケ 弦楽四重奏曲第1番
ボロディン四重奏団

復活しつつあるメロディアからボロディンカルテットの結成60年(!)を記念する復刻アルバムが4枚出た。そのなかで現代作品(当時)を集めた1枚。ドゥビンスキーを中心とする第1期黄金時代の録音である。

この中で聴いてみたかったのは、シェバリーン(1902~1963)である。ソヴィエト音楽史では必ず出てくる名教師の一人であるが、作品はあまり聴く機会がない。カレトニコフ(1930~1994)の回想録に、12歳のカレトニコフがモスクワ音楽院で当時院長のシェバリーンと初めて顔を合わせる場面があって、そのときの12歳の作曲家を志す少年に対するシェバリーンの言葉が「いずれ自分の思い通りに作曲したくなったときには、こっぴどくぶちのめされることになる。こわくはないだろうね。」というものだった、とある。この人も政治的な圧力と自分の信念との間で葛藤した人なんだろう。

弦楽四重奏曲第5番は、1944年の作品。「スラヴの主題による」という副題があり、シェバリーンの弦楽四重奏曲の中ではポピュラーなものだそうだ。ロシア、スロヴァキア、ウクライナ、ポーランドの主題を全曲に散りばめており、戦時中の政府の要請に最大限こたえたものだろう。主題は分かりやすく、曲も様々な性格の主題をたくみにまとめているバランスのよい作品。弦楽四重奏曲第9番は、最後の弦楽四重奏曲で、1962年の作品。これも「社会主義リアリズム」的な分かりやすさはあるが、なかなか力強い作品。ただ、この人の作品、作曲家として「うまいなあ」と感心はするのだが、感動まではいまひとつとどかない感じ。力はある人なので、もう少し他の作品も聴いてみたい。

ストラヴィンスキーの3つの小品は、分かりやすい楽しい作品。シュニトケの作品は1966年の若い頃の作品。後年、多様式主義と呼ばれる技法を確立するが、この頃は、バリバリの現代作品。後年の作品の雰囲気ととても近いものを感じる。20分の短い作品だが、充実している。

ボロディンカルテットは、いずれも作品を消化しつくした力強い演奏。シェバリーン作品をきちんとまとめて聴かせてくれるのは、この団体だからこそであろう。

|

« プラジャークQのモーツァルト | Main | ムラヴィンスキーのリハーサル »

7 ロシア(近現代)」カテゴリの記事

4 近現代(除・北欧、ロシア)」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference シェバリーンの弦楽四重奏曲:

« プラジャークQのモーツァルト | Main | ムラヴィンスキーのリハーサル »