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フェイギンのボリチャイ

troy731ボリス・チャイコフスキー チェロ協奏曲 無伴奏チェロ組曲 ピアノ三重奏曲
V.フェイギン(vc) セーロフ指揮レニングラード古典現代音楽管 G.フェイギン(vn) ジューコフ(p)

はい、またまたボリチャイです。すっかりはまっちゃっています。

今日紹介するのは、アメリカのレーベルAlbanyからリリースされたボリチャイ作品集第1弾。このレーベル、以前にはエシュパイ・エディションなんてのもリリースしたことがあるらしく、旧ソ連系作曲家に思い入れがあるようだ。

第1弾は、チェリスト、ヴァレンティン・フェイギンにスポットをあてた一枚。というか、フェイギン自身の個人的なアーカイブからのCD化であり、すべて初出の音源と思われる。音質はいずれも良好。

第1曲目は、代表作の一つ「チェロ協奏曲」。ボリチャイ中期の代表作で、既に、ロストロ盤、シモン盤、モネゲッティ盤がリリースされており、4枚目の録音の登場となる。ロストロは、自分の初演した曲の最も優れた曲として、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチの2曲、デュティユーとともにこの作品を挙げている。この曲の半分を占める第1楽章は、チェロのモノローグが中心の不思議な楽章。断片的な音型が力強く変容していく。第2楽章は、スケルツォっぽい曲。はじめにトロンボーンで示されるテーマが執拗に繰り返される。無窮動の第3楽章を経て、終楽章は人を食ったようなロンド。奥深さを感じさせる充実の作品である。
フェイギンというと、室内楽奏者のイメージがあるが、ソリストとしても、スケールの大きなところを聴かせてくれる。セーロフ(オケはおそらく手兵のレニングラード室内管であろう)の伴奏は、細かいところまで配慮の行き届いたきわめて充実したもので、ボリチャイの語法をしっかりと理解していることをうかがわせる。おそらく、この作品も何度か指揮したことがあるのではないか。1978年の録音。

2曲目の「無伴奏チェロ組曲」は1960年の作品。5つの短い楽章からなる。時期的には前期の作品であるが、中期の萌芽も聴こえる。無伴奏チェロという制約された楽器でありながら、最初から最後まで力強い意志の統一された佳作である。
フェイギンの力強い音色は、この曲を一気に聴かせてくれる。1972年の録音。

3曲目の「ピアノ三重奏曲」は、1953年の前期を代表する作品の一つ。第1楽章トッカータ、第2楽章アリア、第3楽章主題と変奏の3楽章からなり、伝統的な語法でよっている。アリアで聴かせるいかにもロシア風のエレジーは感動的である。
フェイギンの活動の中心であった、弟とジューコフとのピアノトリオでの演奏。このトリオ、ショスタコーヴィチのトリオでも素敵な録音を残してくれている。この曲には、作曲者とピカイゼンらの録音もあるが、作曲者盤が始終緊張感を漂わせているのに対し、こちらは全体のよく見えるメリハリのきいた落ち着いた演奏。ジューコフのピアノの表現力など見事である。

既に第2弾(ピアノ作品集)もアナウンスされており、楽しみ。

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