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トヴェイトを聴く1

このブログ、基本的には初聴の印象記にしようと思っていたのだが、そればかりだと、更新のためにCDを買う羽目になってしまうので、ちょっと趣向を変えて、これまで買ったものを系統立てて聴き返すシリーズをはじめてみようと思う。
はじめに選んだのは、ノルウェーのトヴェイト。作品を年代順に追いながら、その生涯についても整理してみようと思う。

リディア調、ドリア調、フリギア調による2声のインヴェンションOp1、2
3声のインヴェンションOp3より第5番
4声のインヴェンションOp4より第3番

20世紀のノルウェーを代表する作曲家の一人であるゲイル・トヴェイト(1908~1981)は、1908年、ベルゲンに生まれ、少年時代を西ノルウェーのハルダンゲル地方で過ごす。毎年夏に田舎に帰り、そこで民族音楽におおいに接したようだ。小さい頃からピアノやヴァイオリンを嗜んでいたようであるが、音楽家として生きていくことを決めたのは、割と遅かった(建築家になりたかったらしい)ようで、シンディングと会った機会に、シンディングにその才能を認められ、強く音楽家への道をすすめられてからとのことである。
シンディングのすすめもあったのか、1928年、ちょうど20歳の時に、ライプツィヒに留学し、正式な音楽教育を受けるところから、トヴェイトの音楽家としての人生がはじまる。作曲とピアノを専攻したらしいが、その吸収力はもの凄いものであったらしい。そして、勉強をはじめてからわずか2年、1930年に完成させたのが、この2声のインヴェンションである。

2声のインヴェンションは、それぞれ調の異なる12曲(題名にもあるように教会旋法による)からなる。1曲1~2分の短い曲で構成され、全曲でも30分弱である。曲の構成からすると習作のように思われがちだが、この曲、すぐにブライトコップフから出版された事実からも分かるとおり、見事な作品である。
2声なので、テクスチュアは単純であるが、それぞれの調のもつ雰囲気を大切にしつつ、そこはかとなくノルウェーの民族音楽の香りが漂う(後年、トヴェイトはノルウェーの伝統音楽が教会旋法によっていることの論文を書いているらしい)。制限された条件の中で、多彩で透明な音楽が展開される。現在聴いても新鮮であり、トヴェイトの個性が見事に発揮されている。

手許にあるCDは、ボトネン盤(SIMAX)とギムセ盤(MarcoPolo)。作品番号はボトネン盤では1に、ギムセ盤では2になっているが、オリジナル版は1であり、改訂版が2であるとのこと。版の違いではないと思うが、ボトネン盤はやや散漫な印象で、各声部を立体的に描きだしているギムセ盤に軍配をあげたい。

3声、4声のインヴェンションも同時期の作品だろう。これらの作品も、もともと12曲あり、同じように異なった教会旋法で書かれていた。しかし、1970年のトヴェイトの小屋の火事で焼失。ギムセ盤に収録されている1曲ずつは、1977年に作曲家自身が思い出しながら復元したもの。2声よりも、さすがに表情が豊かにきこえる。これらの作品が全て残っていたら、とは誰もが思うだろう。

ちなみに、トヴェイトについてのまとまった情報は、ここ。ただし、作品表はノルウェー語だし、ちょっと使いづらいのが難点。

1回目なので、ちゃんと書いてみたが、どこまで続けられるだろうか。

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Posted by: m88 | June 20, 2015 05:04 PM

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