モーツァルトのセレナード
モーツァルト セレナードKV185 5つの田園舞曲KV609 ノットゥルノKV286
ヴェーグ指揮 カメラータ・アカデミカ
私がヴェーグを偏愛していることは以前にも書いたが、最近、モーツァルトのディベルティメント・セレナード集10枚組が安いボックスで出たので迷わず購入。
ただ、曲が曲だけに、頭から聴きとおしても飽きてしまうと思い、折に触れて少しずつ聴いている最中。そんな中、とても面白く聴けた一枚があったので、忘れないうちにここに書いておく。
その一枚は、6枚目のCD。モーツァルトの作品を知るために、いつも拝見させていただいているコン・グラツィアさんのところによれば、KV185はセレナード第3番「アントレッター・セレナード」とのこと。トランペットが入る華やかな響きが魅力のセレナード。
次の5つの田園舞曲は、1分程度の短い曲5曲からなる小品だが、その単純で無駄のない、それでいて文句なしに美しい音楽は、晩年のモーツァルトだけの世界だろう。
最後に収録されているKV286、実はこの曲にびっくりした。再びコン・グラツィアさんによると、セレナード第8番「4つのオーケストラのためのノットゥルノ」とのこと。なんと、同じ編成の4つのアンサンブルが、次々と同じ音楽を奏でていってエコーのような効果をもたらしている。3楽章の短い曲だが、何度聴いても面白い。
ヴェーグとその手兵の演奏は、全くもって見事なもの。KV609の絶妙な表情付けにはしびれるし、KV286で、エコーの繰り返しをちょっとずつ遠くから聴こえるようにコントロールするのもこれまた絶妙。
よくこんなことできるなあ、と感服する他ない。
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